思いのままに走れるマシンを目指した2026年モデルYZ125開発ストーリーを紹介します!
- 2025年6月25日
今回は、幅広いシチュエーションで高いパフォーマンスを発揮するためエンジン吸気系まわりなどを変更し、マイナーチェンジを果たしたYZ125開発ストーリーを紹介します。
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2026年モデルYZ125開発メンバーの皆さん
第1車両実験部YZG 白井 利幸(写真中央)
第2PT実験部YZ-PT実験G 中馬 章裕(写真左)
車両テストライダー 小島 太久摩さん(写真右)
■思いのままに走れるマシン
2026年モデルYZ125の開発にあたり、「思いのままに走れるマシン作り」を強く意識しました。
2ストロークエンジン&キャブレターの組み合わせは、気候やコースコンディションなど、さまざまな要素によって、気難しさを顔に出すことがあります。この「宿命」に挑戦すべく、ベンチテストと幅広い条件下での実走テストを繰り返しました。
走行テストにあたっては、キッズクラスからステップアップしたライダーやビギナーライダー、さらにエキスパートライダーなどのライディングを想定。さまざまなスキルのテストライダーを用意し、標高や気候などが異なる複数の走行コースで主に吸気系を徹底的に見直しながらセッティングを煮詰めました。
これによって、エンジンのポテンシャルを最大限に引き出しながら、2ストロークエンジンらしいクリーンな回転上昇を実現しました。スロットルオフ〜低回転域でのエンジン回転コントロールやエンジン回転キープを容易にすることで、ライダーの意のままのライディングが可能となりました。
2026年モデルYZ125開発プロジェクトリーダー 白井 利幸
■2ストロークエンジンの可能性を広げる
2026年モデルYZ125の命題はビギナーライダーからエキスパートライダーまで、幅広いスキルのライダーを満足させることです。
このマシンにおける「エンジンの扱いやすさ」は、ライディング中に留まりません。2ストロークエンジンの醍醐味である、キャブレターセッティングもその一つです。その日のコンディションに合わせた最適セッティングを施すことで、高いパフォーマンスを発揮する。その一方で、ごくわずかな調整の違いで期待通りの成果が得られないこともあると思います。
2026年モデルYZ125は、2ストロークエンジン&キャブレターのシビアさをできる限り打ち消し、懐の深さを持たせることで、よりイージーなセッティングを可能にしました。
より多くのライダーに、より容易にキャブレターセッティングを行ってもらえる2026年モデルYZ125は、エンジン特性とライディングの関わりを学びながら、奥深いモトクロスの世界を楽しんでもらうことができるモデルになっています。
第2PT実験部 中馬 章裕
■キャブレターセッティングの全てを見直し最適化
具体的な変更点としては、キャブレターへの燃料供給量を調整するジェットニードルを変更しました。従来モデルは4段階だったテーパー角を2段階で変化する仕様とし、スロットル開度の大小に関わらずバランスのよい燃料供給を実現しています。
また、メインジェット、パイロットジェットおよびパワージェットを変更し、適切な燃料流量を実現しました。パイロットジェットの変更はアイドリング〜低回転域において、パワージェットの変更は低~中回転域において燃料流量の適正化に寄与しています。これらの効果が相まって、アイドリングから高回転域に至るまで、優れたスロットルレスポンスと扱いやすさを両立しているんです。
また、フロートチャンバーの油面も従来モデルからプラス1mmで適正化しました。
特に低回転域から高回転域まで幅広い回転域を多用するコーナー立ち上がりにおいて、よりスムーズなライディングを実現しています。
そして、あらゆるスロットル開度において最適な燃焼を実現すべく、点火タイミングを変更しています。ベンチテストと実走テストを繰り返しながら、各スロットル開度およびエンジン回転数における点火時期を徹底的に見直しました。低回転域から高回転域に至るまで、ライダーのスロットル操作に対してリニアに反応するエンジン特性になっています。
■エアフィルターまわりの形状を変更し安定したキャブレター設定を実現
キャブレターとのマッチングを高め、空気をよりスムーズにキャブレターへと導入するために、エアフィルタージョイントの形状を変更してつながりを滑らかにしました。また、エアフィルターケースへのエアインテークの形状を変更して拡大しています。
これらにより、あらゆるスロットル操作において空気をスムーズに導入し、安定したキャブレターセッティング及び、エンジン特性を発揮します。
車両テストライダー 小島 太久摩さん
■コーナーからの立ち上がりを武器に
吸気系を徹底的に見直すことで得られたのは、「意のままに操れる」という懐の深さだけではありません。2026年モデルYZ125は、「よりスムーズにコーナーを立ち上がれる」という強力な武器も手に入れました。
モトクロス走行はコーナリングが大事になってきます。スロットルオフからブレーキングを行い、低回転域でのパーシャルまたは弱スロットルオープンで旋回し、立ち上がりにかけてスロットルを大きく開けていきます。
2026年モデルYZ125の開発にあたっては、コーナリングでの常用域を重視しました。繊細なスロットルワークに対してよりビビッドに反応するセッティングを施すことで、コーナー脱出速度の速さと扱いやすさを両立しています。
スムーズなエンジンの回転上昇は、ライダーのモチベーションアップに直結します。意のままになる加速フィールは、モトクロスレースにおける勝利の近道になると確信しています。
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いかがだったでしょうか?
2026年モデルYZ125スタンダードモデルの予約受付期間は11月30日(日)まで、ヤマハ発動機創立70周年を記念したYZ125 70th Anniversaryの予約受付期間は7月31日(木)までです。
ご注文はヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店へお問い合わせください。
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それではまた。
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