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ロープ編

係船に必要な器具や用品についてご紹介します。

係船具の詳細説明

種類

ロープの編み方次第で、同径のロープでも強度が変化します。

●三つ打ちロープ
一般的に使用されている3本撚りのロープ。
ロープ編
写真はビニロン(クレモナ)製
●八つ打ちロープ(クロスロープ)
捻(ねじ)れが少なく扱い易いが、伸び縮みが大きく、価格が高めなのが欠点。
ロープ編
写真はポリエステルマルチ製
●組み紐(くみひも)通称:ヨットロープ
捻れが殆ど無く、扱いは容易。価格は高い。
ロープ編
写真はナイロン製
※ロープ価格
例:ヤマハ ダイニーマヨットロープ
サイズ: 8mm径→破断強度=2730kg、税込み価格=¥892/m
サイズ:10mm径→破断強度=4180kg、税込み価格=¥1,155/m

材質

材質はナイロン系を主に色々な素材があるものの強度的な差は少ない。
アンカー索としては水に浮かず伸縮性のあるナイロン系ロープを採用すべきである。

●ナイロン
  • 比重:1.14(水に沈む)
  • 特徴:最も一般的な材質。柔らかく強度にも優れ、広く使われる。
  • 繊維:一般にはマルチ繊維のものがほとんど。
  • 欠点:伸び縮みの大きいのがやや欠点。
  • 価格:やや高い。
●ビニロン(クレモナ)
  • 比重:1.30(水に沈む)
  • 特徴:触感が綿糸に似る。扱い易い材質。
  • 繊維:スパン繊維。
  • 欠点:水に濡れて乾燥を繰り返すと固くなる。
  • 価格:高い。
●ポリエステル(テトロン)
  • 比重:1.38(水に沈む)
  • 特徴:ナイロンに似るが、比重が重い。固くなり難い。
  • 繊維:マルチ繊維。
  • 欠点:
  • 価格:比重が重い分、価格も高め。
●ポリエチレン(ハイゼックス)
  • 比重:0.95(水に浮く)
  • 特徴:比重が軽く水に強い。
  • 繊維:モノ繊維。
  • 欠点:熱に弱い。繊維が固い。表面が滑り易い。
  • 価格:比較的安価。
サイズ

船のサイズ毎に必要な三つ打ちロープの径を示しています。
※ヨットロープの場合は下記数値の4/5のサイズでOK。

  • 20フィート未満の艇:10mm径ロープ以上。
  • 25    〃    :12mm   〃
  • 30    〃    :14mm   〃
  • 35    〃    :16mm   〃
  • 40    〃    :20mm   〃

※強風時は2本取り(ロープを折り返す)か、ワンサイズ太目のロープを使う。

ロープ編

舫い方

●クリートヒッチ(クリート結び)
ロープ編
(問題点)

(1)舫いが固着し、解けなくなる。

大型艇、あるいは小型艇でも強風時に「ロープワーク」の教本で説明されている方法でクリート結びを行った結果、過大なロープの張力がロープに掛かり、結び目が絞り込まれて、クリートからロープをなかなか外せない場面がある。

(改善ポイント)

ロープの巻きつけ回数を増やす

ロープの絞り込みを防ぐ方法として、クリート結びの初期に1周の巻き付けと、1往復以上の「折り返し」を施すこと。
※そのことで、ロープ張力が巻き付け部で解消され、ロープの結び目に過剰な力が掛からない。

(問題点)

(2)クリートロープの混雑

強風時のロープ折り返しで、クリートに舫ったロープで団子状となる。
※一般的な係船クリートでは、ロープを5~6回巻くのが限度。

(改善ポイント)

「初期結び」の工夫

自船クリートへの係船の初期結びはクリート結びを避けること。
ロープエンドをボーラインノット、またはアイスプライス処理し、そのロープの端の輪を、 下記図の様にクリートに通して抱き込ませる。
※そのことで、た角(ツノ)部が開放状態となる。

ロープ編
●ボーラインノット(舫い結び)
ロープ編
(利点)
  • 係船金具のスペースを奪わない。
  • 円筒金具への舫いの場合、輪を持ち上げるだけでロープを外せる。
(問題点)
(1)ワンタッチで舫いを解くことができない。
(改善ポイント)

解き易い「ボーラインノット」

舫い作業後半の「ロープ通し」をUターン状にすることで、ロープを外す際に結び目のクリアランスが有効となり、結び目の折り返し部を起こし、ロープエンドを引っ張ることで容易にロープを解くことができる。

ロープ編
●クラブヒッチ(巻き結び)
ロープ編
(問題点)
大型艇や、小型艇でも強風時の場合、ロープに過大な張力が発生し、結び目が絞り込まれることで舫いを外すのが困難となる。
(改善ポイント)
ロープ解きが容易な「ローリングヒッチ」を行う。
別称「漁師結び」と呼ばれる舫い方で、円柱係船金具への結びにおいて、初期のロープ処理を折り返す様に巻き付け、後半にロープエンド側が下に入る様に処理をする。
●フィッシャーマンズベンド(錨結び)
ロープ編
(問題点)
アンカーロープをアンカーリングに結ぶ舫い方であり、強い張力で揺れ動くアンカー索を細いリング金具に結ぶことから、リング部への巻き付け数を2周以上行うことが重要であるが、大半の人が「ボーラインノット」で済ませている。
(改善ポイント)
この舫い方を習得する
摺動部に2周以上ロープを巻いて作った輪の中にロープを通すことが重要。
その後はハーフヒッチを2回施し、最後にボーラインノットを行う。
ロープ摩耗対策品を使用
アイスプライスしたロープエンドにシンブル金具を施したロープを購入する。
ロープ編
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●ツーハーフヒッチ(二重結び)
ロープ編
(利点)
フェンダー等を結ぶのに適した単純な舫い。
(問題点)
ロープに張力が掛かると、結び目が容易に食い込む。
(改善ポイント)
荷重の軽い物にのみ使う。
●万力締め(運送業者が行う荷の固定方法)
ロープ編
ロープ編
ロープ編
ロープ編
(利点)
物を強い力で閉め込んだり、固縛するのに役立つ。
●ロープブレーキ(折り返し巻き)
ロープ編
(利点)
重い船が強風で流されるのを人力で止めることができる。
●逆止ヒッチ
ロープ編
(利点)
ロープエンドの仮止めに有効。
一方から引張ってもロープは解けないが、その逆から引張ると一瞬にしてロープが解けるロープワーク。
●ロープ束ね
ロープ編
(利点)
ロープを整理良く束ねておくことで、非常時に素早くロープを取り出せ、即座に使用できる。
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