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ハンパない緊迫戦を勝ち抜き、約34,000人のメカニックの頂点に立ったのは、カナダと台湾の代表

2018年10月30日

みなさん、こんにちは。ヤマハ発動機販売サービス課・岡田です。
先日、「YAMAHA WORLD TECHNICIAN GRAND PRIX(ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ)」が開催され、スポーツモデルクラスではカナダ代表のブレット・ハートさん、コミューターモデルクラスでは台湾代表のウー・チャンウェイさんが優勝しました。
優勝に輝いたチャンウェイさん(左)とハートさん
優勝に輝いたチャンウェイさん(左)とハートさん

このワールド・テクニシャンGP(WTGP)は、ヤマハ独自の世界統一基準による整備士教育プログラム「ヤマハ・テクニカル・アカデミー(YTA)」に合格した認定整備士が集い、世界一のヤマハ二輪整備士を決める世界大会です。
このワールド・テクニシャンGP(WTGP)は、ヤマハ独自の世界統一基準による整備士教育プログラム「ヤマハ・テクニカル・アカデミー(YTA)」に合格した認定整備士が集い、世界一のヤマハ二輪整備士を決める世界大会です。今回は21の地域・国で予選大会が開催され、19の地域・国からなる21名の整備士がヤマハ本社へ集結し、世界一のヤマハ整備士を目指して熾烈な戦いを繰り広げたのです(←ちょっと大げさですけれど)。

競技内容は「故障診断競技」と「お客さま対応競技」の2つです。

【故障診断競技】
「故障診断競技」は、二輪整備士と聞いて思い描く内容。

「故障診断競技」は、二輪整備士と聞いて思い描く内容。
各国の市場状況を受け、スポーツモデルクラスは「MT-09」、コミューターモデルクラスは「YZF-R3」あるいは「YZF-R25」、「YZF-R15」を競技車両として使います。


競技時間は80分。
競技時間は80分。修理・整備ができることはもちろん、WTGPでは、いかに正確に迅速に対応できるのか、精度とスピードが求められます。
エンジンがかからない状態の車両をまず修理し、その後、与えられたリストに基づいて各部を点検していきます。
エンジンがかからない状態の車両をまず修理し、その後、与えられたリストに基づいて各部を点検していきます。
いつものように作業すれば、車両に仕掛けられた不具合に難なく気づけて、原因を特定し修理できるはずですが
いつものように作業すれば、車両に仕掛けられた不具合に難なく気づけて、原因を特定し修理できるはずですが
公平を保つため、工具はヤマハが用意した使い慣れていないものを使用しなければなりませんし
公平を保つため、工具はヤマハが用意した使い慣れていないものを使用しなければなりませんし
正しく作業を行っているかチェックする審査員が、至近距離で穴があくほど手元を見ていますし
正しく作業を行っているかチェックする審査員が、至近距離で穴があくほど手元を見ていますし
なんせ、ヤマハ社員を始め関連企業のみなさん、各国からのメディアまでもがつめかけ、観戦しているので、普段の実力を出し切るのがとてもとても難しい環境なのです。
なんせ、ヤマハ社員を始め関連企業のみなさん、各国からのメディアまでもがつめかけ、観戦しているので、普段の実力を出し切るのがとてもとても難しい環境なのです。
ここは原宿・竹下通りか!
ここは原宿・竹下通りか!ってなほど、たくさんの人が近くで作業の状況を見つめていました。こんなに人が密集しているのに、聞こえるのは作業中の音のみ。見学しているこちらまで緊張してしまうような、独特の雰囲気です。
なので、不動のエンジンのかかる音が聞こえ、大きな拍手がわき起こると
なので、不動のエンジンのかかる音が聞こえ、大きな拍手がわき起こると
会場に焦りの空気が漂い始めます。
会場に焦りの空気が漂い始めます。
競技者の状況がどれくらい進行しているのか
競技者の状況がどれくらい進行しているのか
どんな作業がどこまで進んでいるのか、観戦されているみなさんには丸わかり。

どんな作業がどこまで進んでいるのか、観戦されているみなさんには丸わかり。

故障診断には、パソコンにつないで車両の状態を迅速・的確に診断・修理できるサービスツール「YDT(ヤマハ・ダイアグノスティック・ツール)」を使用するのですが、そのツールを使いこなすにも知識と経験値が欠かせません。
故障診断には、パソコンにつないで車両の状態を迅速・的確に診断・修理できるサービスツール「YDT(ヤマハ・ダイアグノスティック・ツール)」を使用するのですが、そのツールを使いこなすにも知識と経験値が欠かせません。
しかもただ直せば言いわけではなく、なぜその箇所が故障していると判断できるのか、根拠を示さなければなりませんし
しかもただ直せば言いわけではなく、なぜその箇所が故障していると判断できるのか、根拠を示さなければなりませんし
そこに至るまでの過程もチェックされています。
そこに至るまでの過程もチェックされています。
不具合箇所を突き止めるために、正しいプロセスを踏まなければならないのです。
不具合箇所を突き止めるために、正しいプロセスを踏まなければならないのです。
さらに不具合箇所の修理のみならず、ドライブチェーンのたるみや
さらに不具合箇所の修理のみならず、ドライブチェーンのたるみや
ブレーキパッドの減り具合に
ブレーキパッドの減り具合に
ブレーキランプの不調などに気づいて対処することはもちろん
ブレーキランプの不調などに気づいて対処することはもちろん
作業に入る前にタンクカバーやハンドルカバーを掛けたり
作業に入る前にタンクカバーやハンドルカバーを掛けたり
外したパーツも含めてお客さまの車両を丁寧に扱えるのか
外したパーツも含めてお客さまの車両を丁寧に扱えるのか
さらに工具や機器の取り扱いの正確さ・丁寧さも採点のポイントです。
さらに工具や機器の取り扱いの正確さ・丁寧さも採点のポイントです。
日ごろから心がけていなければ、ついうっかりしてしまうような細かいところまで徹底的に採点されているのです。
日ごろから心がけていなければ、ついうっかりしてしまうような細かいところまで徹底的に採点されているのです。

「お客さま対応競技」
一方「お客さま対応競技」では、点検・修理を終えた車両を引き取りにきたお客さまへの対応をチェックします。
競技時間は30分。まるで実際の店舗のようなシチュエーション。
競技時間は30分。まるで実際の店舗のようなシチュエーション。
点検結果について、資料や
点検結果について、資料や
実際のパーツなどを使って分かりやすく説明できているか
実際のパーツなどを使って分かりやすく説明できているか
目の前のことがらだけでなく、次回の点検時には交換したほうが良さそうなポイントなどもアドバイスできるか
目の前のことがらだけでなく、次回の点検時には交換したほうが良さそうなポイントなどもアドバイスできるか
さらに純正オイルやパーツのメリットなど、メンテナンスやパーツに関する知識の豊富さも問われます。
さらに純正オイルやパーツのメリットなど、メンテナンスやパーツに関する知識の豊富さも問われます。
お客さま役のスタッフが「安いオイルにしたいけど、なぜ、ダメなんですか?」など、ちょっと意地悪な質問を投げかけたりする場面も。
お客さま役のスタッフが「安いオイルにしたいけど、なぜ、ダメなんですか?」など、ちょっと意地悪な質問を投げかけたりする場面も。
お客さまを出迎えたり、見送ったりする際の態度まで、評価の対象なのです。
お客さまを出迎えたり、見送ったりする際の態度まで、評価の対象なのです。
「故障診断競技」同様、競技者のみなさんの状況は逐一モニターに表示されます。
「故障診断競技」同様、競技者のみなさんの状況は逐一モニターに表示されます。

【大会結果】
こうしたハードな状況で戦い抜いた結果
スポーツモデルクラス
スポーツモデルクラス
優勝:カナダ代表 ブレット・ハートさん(右から2人目)
2位:オーストラリア代表 ダレン・ストウトさん(左から2人目)
3位:オランダ代表 アラン・シモンズさん(右)
優勝者コメント ハートさん:
優勝者コメント ハートさん:
「夢が叶いました! 一生懸命やりましたし、ちゃんとできた手応えもありましたが、他にもたくさん素晴らしいメカニックがいたので、実際に勝てるとは思っていませんでした。本当に嬉しい! この歓びをカナダにいるガールフレンドに真っ先に伝えたいです」
ハートさん:
ハートさん:
「ヤマハは素晴らしい大会を催してくれました。ヤマハのメカニックでしたら、ぜひみなさん、本大会目指して切磋琢磨して欲しいです。
カナダでヤマハのバイクはとても人気。ナンバー1ブランドなんですよ」

コミューターモデルクラス
優勝:台湾代表 ウー・チャンウェイさん(右から2人目)
優勝:台湾代表 ウー・チャンウェイさん(右から2人目)
2位:インドネシア代表 アルディ・スリスティヨ・ハリョ・ブラコソさん(左から2人目)
3位:ベトナム代表 ディン・カックイさん(右)


表彰式では歓びのあまり、言葉につまってしまっていたチャンウェイさん。今回参加された中で最年少の21歳。
優勝者コメント チャンウェイさん:
優勝者コメント チャンウェイさん:
「実は、以前父もWTGPに参戦したことがあり、その時は2位だったので、今回私がその雪辱を果たすかのように優勝できて本当に嬉しいです。両親始め、応援くださったみなさんに感謝しています」
チャンウェイさん:
チャンウェイさん:
「小さい頃からバイクが好きで、父の姿を見ながら整備の勉強をしてきました。長い時間をかけて学んできたことが実を結んだんだと思います。たゆまず努力し続ければ、このような結果が得られるんだと思います」
チャンウェイさんの競技を見守るお父さん。
チャンウェイさんの競技を見守るお父さん。
「彼は小さい頃から明るい性格で、努力もする子どもでした。故障診断競技でエンジンがかかった瞬間、これは行ける! と思いましたよ」

みなさん本当におめでとうございました!!


【日本代表ストーリー】
今回参加された日本代表は
今回参加された日本代表
バイクが大好きな息子さんをヤマハ本社に連れて行けるよう、国内大会で奮闘したという袖ケ浦ホンダの井口 友臣(いぐち ともしげ)さん。

井口さんとおそろいのつなぎで登場した息子さん始めとするご家族に
井口さんとおそろいのつなぎで登場した息子さん始めとするご家族に
ショップの小林社長さん(左から2人目)に大網部長さん(左)までもが応援に駆けつけていました。
ショップの小林社長さん(左から2人目)に大網部長さん(左)までもが応援に駆けつけていました。

AとBの2グループに分かれて競技をおこないましたが、グループBで誰よりも真っ先にエンジンをかけたのは井口さんでした。
AとBの2グループに分かれて競技をおこないましたが、グループBで誰よりも真っ先にエンジンをかけたのは井口さんでした。

前回2016年大会で優勝したのが日本代表だったこともあり、例年以上に関心をもたれ、思うように本領を発揮できず、厳しい状況だったと思います。
前回2016年大会で優勝したのが日本代表だったこともあり、例年以上に関心をもたれ、思うように本領を発揮できず、厳しい状況だったと思います。
なかでも「お客さま対応競技」では、唯一の日本語使用ということもあり、大注目の的でした。
なかでも「お客さま対応競技」では、唯一の日本語使用ということもあり、大注目の的でした。
「家族にがんばっている自分の姿を見てもらえればいい。結果は気にせず、自分の持てる力を精一杯出して行くだけ」と話していた井口さん。
「家族にがんばっている自分の姿を見てもらえればいい。結果は気にせず、自分の持てる力を精一杯出して行くだけ」と話していた井口さん。

井口さん談:
井口さん談:
「世界大会は国内大会とは比べ物にならないほどのレベルですね。
故障診断競技では、故障した箇所を直すことだけでなく、工具の使い方、手際の良さ、手順を意識しながらやりましたが、そんなところが壊れるのか! という箇所の故障だったので、少し手間取ってしまいました。とは言え、真っ先にエンジンがかかったことで、嬉しかったし、そこで気が緩んでしまったのかもしれません。
ここでの体験を踏まえ、店の他のスタッフには、思い込みをなくして手順を追って作業する大切さを改めて伝えたいですね」
井口さん談:
井口さん談:
「なかなか日の目を見ない整備士の仕事ですが、お客さまの安心のバイクライフを支えるのが整備士です。WTGPのような大会をメーカーが開催してくれることで、整備の大切さやがんばればきちんと評価されることを広く伝えたい。
これからもお客さまの期待を超える整備を提供し、お客さまの満足度向上に努めたいと思います」
お父さんの競技する姿をじっと見つめ、競技が終わると飛び跳ねながら「お父さんかっこいい!」を連呼していた息子さん。
お父さんの競技する姿をじっと見つめ、競技が終わると飛び跳ねながら「お父さんかっこいい!」を連呼していた息子さん。
「無理強いはしないけれど、将来的に息子が自分の意志で二輪整備士になりたいと言ってくれたら嬉しい」と井口さん。
「無理強いはしないけれど、将来的に息子が自分の意志で二輪整備士になりたいと言ってくれたら嬉しい」と井口さん。
コミュータークラスの勝者・チャンウェイさんが親子で勝利をもぎ取ったように
コミュータークラスの勝者・チャンウェイさんが親子で勝利をもぎ取ったように
20年後、息子さんが井口さんの想いを受けて、勝利を手にしてくれるかもしれませんね。
20年後、息子さんが井口さんの想いを受けて、勝利を手にしてくれるかもしれませんね。

各国代表それぞれに、一言では語り尽くせないドラマが生まれるヤマハ・ワールド・テクニシャンGP。次回は2年後の2020年。東京オリンピック・パラリンピックに負けない熱い闘いにご期待ください!

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2018年10月30日
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