バイクが教えてくれた大切なこと。その1、不安の先は特別な幸せが待っている

みなさんこんにちは！元モトクロスライダー安原さやです！

今回は、私が22年間のモトクロス人生で学んだ大切なこと（その1）をお届けいたします。

私がモトクロスライダー人生にピリオドを打とうと思ったのは、2018年全日本モトクロス選手権R6東北大会のゴールにてチェッカーフラッグを受けた時でした。トップでゴールしたその瞬間に「やめよう」と思いました。正直、レースがない人生なんて考えられないほどレースに、バイクに人生を捧げていましたから、ふと、そう思った自分自身にとてもびっくりしました。

R8近畿大会が開催された名阪スポーツランドは、私のホームコースでもあり、新型のYZ85のデビュー戦でもあることから、この大会で私の22年間の全てをぶつけよう！そう、心に決めて挑んだ大会でした。

私の想いも通じて見事、新型YZ85のデビューウィンを果たせました！

東北大会では慣れ親しんだ2018年モデルYZ85で最後の1勝を。
近畿大会では新型2019年モデルで最初の1勝を！とヤマハYZ85のポテンシャルの高さを強く感じていただける内容のレースをすることができたと思います。近畿大会では、他のライダーより2秒も速いベストラップを出すことができ、より一層「バイク人生をやりきった！やり残したことはひとつもない」と思いました。

...と同時に大好きなレースとバイクを自ら離れる決断をするのか...と、とても不安になりました。
"続ける勇気よりやめる勇気はすごく要るんだよ"そう、昔、親に言われた一言が一瞬にして蘇ったほどでした。

"勝つ"モチベーションを維持することは想像以上に大変で、だからこそ続けることが大変だとずっと思っていた私は、初めてこの言葉の意味が分かりました。人生で最も大切にしてきたものを、大好きなものを失う不安は、言葉にできるものではなく、泣きたい訳ではないのにかってに毎晩涙がでてくるほど、想像以上に怖く感じるものでした。

2018年10月28日、全日本モトクロス選手権の最終戦 決勝日に現役の引退を発表し、気づいたことが非常に大きかったです。
突然のラストランの発表をたくさんの方が惜しんでくれて、自分のことのように涙してくれるみなさんに触れることで、レースから離れる決断をする不安と怖さに涙していた前日までと一転し、すごく幸せな気持ちなりました。これまで感じていた不安は、実は特別な幸せに出会うための前兆だったのです。

「バイクが好き」という共感とYZは、素敵なみなさまとの懸け橋となり、気が付けば、その仲間輪の輪は大きなものとなっていました。
大切なレースから離れる決断をする不安、その怖さを受け止めてくれたのは、これまでレースと思い出を共に共有し戦っていただいた、スポンサーのみなさん、ライダー、なにより応援してくださったみなさん、そう！素敵なバイク仲間でした。
経験したことのない不安の先に、まさか、言葉にできないほどの幸せが待っているとは思いもしませんでした。

バイクは、自分に自信が持てなかった私に少しだけ自信をくれました。

新しい人生を踏み出す勇気もくれました。そして、とても素敵な仲間に出会わせてくれました。
私の人生の軸を作り「変わることは怖いことではない、むしろ素晴らしいことだ。自分を信じて生きていこう」と、人生の幅までも広げてくれました。
これこそがバイクが、レースが、最後の最後に私に教えてくれたことです。

バイクは、本当に素晴らしい乗り物です。人生をかけてみたい！そう思わせてくれたモトクロスもとても素晴らしいスポーツです。
変わりたい！そう思うあなた！ぜひ一度ヤマハバイクに乗ってみてください。ダイレクトに自然を感じながら走るだけでも気持ちがリフレッシュしますよ♪そして素敵な仲間にもきっと出会えますよ！