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鋳造用語集「た行」

鋳造で用いられる専門用語を50音順で解説します。

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用語 英語 解説
タービン油たーびんゆ turbine oil 発電設備などで使用されるタービンの軸受部分を潤滑するための油。ダイキャストマシンの潤滑などにも用いられている。
ダーマトだーまとグラフ®ぐらふ Dermatograph® 三菱鉛筆の登録商標で、筆記用具の一つ。鋳造では、熱い鋳物のマーキングや金型の焼き付き部分の補正に使われる。
ダイ厚だいあつ die height 金型の固定型背面から、可動型背面までの厚さ。
耐圧鋳物たいあついもの pressure-tight casting 図面などによって規定された液体や気体の圧力に対して、圧漏れしない、もしくは破壊しないことが要求され、検査に合格した鋳物。
耐圧性たいあつせい pressure tightness ダイキャスト製品などの内部に、気体や液体などの流体を圧入したときに、気圧や液圧に耐えて、圧漏れや破壊を起こさない性質。
ダイキャストだいきゃすと鋳造ちゅうぞう high-pressure die casting 金型に溶解した金属を射出することにより、高い寸法精度の鋳物を短時間に大量に生産する鋳造方式。材料は、アルミ二ウム、亜鉛、銅などが用いられる。
耐食性たいしょくせい corrosion resistance 金属などが腐食しにくい性質。耐食性を測定する方法として、塩水噴霧試験などがある。
耐水性たいすいせい water resistance 鋳物に水が浸透しない性質や、水によって変質や破損しない性質。
タイバーたいばー tie bar ダイキャストマシンや重力鋳造機、低圧鋳造機の可動プラテンを、摺動させるための研磨された鋼製の円柱。
耐磨耗性たいまもうせい abrasion resistance 金属表面に機械的磨耗を加え、面が損耗することに耐える性質。
ダイヤフラムだいやふらむ diaphragm 気体や流体の圧力の作用に応じ、変位を生じる膜。この性質を利用した機器としてダイアフラムポンプなどがある。
たがね chisel 鋼鉄製でハンマーと共に用いる、金属を加工するための工具。先端が平らで、厚いバリなどを除去することができる。
ダクトだくと duct 空調、換気、排煙の目的で設置された気体を送る管。
タクトタイムたくとたいむ tact time 製造における工程作業時間の単位。音楽演奏の指揮者が、タクトを用いて均等なリズムをとったことが語源。
竹の子たけのこ barb fitting ホースニップルのホースに差し込む先端形状。ネジ方式と異なり、ホースから脱落しないように、竹の子のような形状で、抜け止め防止の機能を果たしていることから、竹の子といわれている。
打こんだこん dent 鋳物に、外力、落下や衝突によってできた傷やへこみ。
多数個取りたすうこどり金型かながた multi-cavity mold 金型内に複数のキャビティー(製品形状部)があり、一度の鋳込みで多数の製品を鋳造することができる金型。
脱ガス処理だつがすしょり degassing アルミニウム合金などの溶湯中に吸収されている水素ガスなどを、フラックスによる脱ガスや、窒素ガスあるいはアルゴンガスを用いる回転脱ガスなどの方法によって除去すること。
脱酸だっさん deoxidation アルミ二ウム合金などの溶湯中に混入している酸化物を、フラックスを使用し、溶湯を撹拌することによって、除去すること。
タップたっぷ tap 鋳物などの金属の機械加工で、穴の内側にネジ部を加工するために用いる工具。
縦射出たてしゃしゅつ vertical injection 酸化物の巻き込みなどを防ぐため、下方から上方に射出する射出機構。一般的にダイキャストマシンは横射出が主流である。
タフトライドたふとらいど(塩浴軟窒化)(えんよくなんちっか) TUFFTRIDE® process (salt bath nitrocarburizing) ドイツのデグザ社の商品名。金属の表面に窒素を拡散浸透させて、硬質の窒化物を生成させる処理。硬化層は窒化処理より薄く、耐疲労性の向上を目的としている。
玉掛けたまかけ slinging クレーンで荷を吊る際、ワイヤーやフックなどを金型や設備などに掛けたり、吊り作業の合図を行ったりすること。
ダライ粉だらいこ machining chip 金属加工の際に出る切削屑(切粉)。
断熱材だんねつざい thermal insulating material 溶解炉や熱処理炉などの保温や、金型を保温するために用いる、熱移動や熱伝達を減少させる材料。グラスファイバーやセラミックファイバーなどが使用される。

用語 英語 解説
縮み代ちぢみしろ shrinkage allowance 金属は凝固の際、収縮するが、その収縮する分を型に加算する割合。
窒化ちっか nitriding 鋼などの金属をアンモニア雰囲気中で加熱し、金属表面に窒化物をつくって、硬化させること。
中空ちゅうくう hollow 鋳物の内部を中子などを使用し、空洞にすること。
鋳巣ちゅうす(いす) porosity; shrinkage cavity 鋳物が凝固時に収縮することから、凝固の遅れた部分に溶湯が十分に補給されないことにより発生する引け巣や、鋳造中に巻き込んだ空気により発生するブローホールや溶湯中のガスによるピンホールなどがある。
鋳造性ちゅうぞうせい castability 健全な鋳物を製造するための材料の性質や鋳造方案。流動性の良さ、引け性が優れているなどがある。
鋳造方案ちゅうぞうほうあん gating system 製品図から鋳物を製造するため、製品形状に加工代、抜き勾配を付け、鋳込みの姿勢、分割面の設定、取り数などの設定、湯口、湯道、押し湯などの設定をすること。
鋳鉄ちゅうてつ cast iron 鉄の三元合金で、炭素Cを2.14 - 6.67%、ケイ素Siを約1 - 3%含む。ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、可鍛鋳鉄などがある。鋼と比較すると、溶融点が低く、生産しやすいという性質がある。
注湯ちゅうとう pouring 溶けた金属(溶湯)を型の方案部、製品形状部に注ぎ入れること。給湯ともいう。
調質ちょうしつ quenching and high temperature tempering 鋼の熱処理法で、焼き入れ後急冷して硬化させ、その後焼き戻しを行い、靭性を高める熱処理。
チョコ停ちょこてい minor stop 連続生産している生産設備が、故障やトラブルにより、すぐに復帰できる程度の短時間の停止をすること。
直角度ちょっかくど squareness 基準線、または平面に対して直角な平面からの狂いの大きさ。JISでは、「データム直線、データム平面に対して直角な幾何学的直線、または幾何学的平面からの直角であるべき直線形体、または平面形体の狂いの大きさ」と定義されている。
直行率ちょっこうりつ first pass yield (straight pass ratio) 工程内検査や完成検査などの検査に、1回で合格したものの比率。SPRという。
チルちる chill 鋳鉄では、組織の中にセメンタイト(Fe3C)が析出した、硬くて脆い組織。また鋳物の一部の硬度を高めたい場合には、砂型の一部に金型やチラーと呼ばれる置き駒を当てて急冷させるが、この急冷により白銑(セメンタイト)化した組織。アルミニウムの場合も急冷組織をチルという。ダイキャスト鋳造では、スリーブ内に発生したチル層が破断チル層となって、鋳造不良の原因となる。
鎮静ちんせい killing 溶湯の脱ガス処理や脱酸処理をした後、溶湯を安定化させるため、時間を置き保持すること。

用語 英語 解説
通風つうふう ventilation 換気の悪い場所など、空気の流れの悪い場所に、新鮮な空気を通すこと。
継手つぎて joint 2個の機械部品を鋼製のピンなどを用いて、繋ぎ合わせる部品。
吊りボルトつりぼると eye bolt 金型や設備などにボルト部分をねじ込んで取り付けた環状の吊り具。天井クレーンのワイヤー先端フックで吊ることができる。

用語 英語 解説
低圧鋳造ていあつちゅうぞう low-pressure die casting 下方に設置した保持炉を密閉し、空気圧を掛け、中央に設置したストーク(給湯管)から、下方より金型に、溶かしたアルミニウム合金などを低速、低圧で注入し、鋳物を成形する鋳造法。歩留まりが良く、健全な鋳物をつくることができる。頭文字をとってLPと略される。
テーパーてーぱー taper 製品や金型の面に傾き(勾配)がついていること。
添加物てんかぶつ additive 金属の特性を変えるために、金属に加える化合物や元素。
電磁弁でんじべん solenoid valve 油圧ユニットなどに用いられる電磁石と弁を組み合わせた機器。電気信号をオン、オフすることにより、油や空気などの流体を流したり、止めたり、方向を切り換えたりする機器。
転造タップてんぞうたっぷ rolled tap (forming tap) 金属に塑性加工を加えて、ネジを成形すること。機械加工によりメネジを加工するものは切削タップという。

用語 英語 解説
とい trough 溶湯などの液体を流すためのU字断面の長尺の部材。
砥石といし grindstone 鋳物や刃物などを研磨する石を使った道具。
投影面積とうえいめんせき projected area ダイキャスト鋳造などで、製品形状部および鋳造方案部を可動プラテンの動作方向から見た面積。
ドームどーむ dome ガソリンエンジンの燃焼室形状のように、燃焼室の円形部分から、上方にふくれあがった半球状の形状。
トグルとぐる toggle linkage ダイキャストマシンの型締め装置や治具のクランプなどで使用される機構。2つのリンクとスライダーから構成されるリンク機構で、クロスヘッドが前進することで最大の力を得ることができる。
吐出としゅつ discharge ポンプなどを用いて、流体を吐き出すこと。
吐出口としゅつこう outlet ポンプなどを用いて、流体を吐き出す箇所。
とつ convex 平面に対して、盛り上がった形状。
ドグどぐ dog リミットスイッチの先端スイッチを押す、丸棒などに取り付けられた部品。
トラレとられ failed release 鋳物が、型に対して離型性が悪く、変形したり、型内に残ったりすること。
トルクとるく torque 回転軸を中心に働く、回転軸回りの力のモーメント。
トルコンとるこん(トルクコン(とるくこんバーター)ばーたー) torque converter 自動変速機の一部で、油圧式のトルク変換機。
ドロスどろす dross 金属の溶湯中に発生した酸化物を、フラックスなどを用いて除去するが、その際に除去した固まり。
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