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「乗らずに学べるバイクレッスン」スクーターの日常点検とスパークプラグについて!

2021年10月14日

10月になり朝晩の冷え込みは有りますが、バイクに乗るには気持ちの良い季節となりました♪ツーリングに行きたい所ですが、まだまだ予断を許さない状況が続いています。
遠くに行けない今だからこそ地元から少し離れた場所をプチツーリングしてみてはいかがでしょう?灯台下暗しと言いますが、新たな発見があるかもしれません。
片道30分のツーリングを楽しんでいるYRA(ヤマハ ライディング アカデミー)事務局の城です。

以前のブログでも紹介してますが、最近バイクの利便性が見直され特に通勤などでバイクに乗り始める方が増えています。通勤バイクとして人気が高いのが125㏄のスクーターです!

125㏄のスクーター

小型2輪A/T(オートマチック)免許が最短2日で取得できる事もあり、街中で良く見かけるようになりました。ただ、元整備士の私からみてメンテナンスの行き届いてない車両が散見されます・・・そこで今回は125㏄のスクーターにスポット当てて、日常点検のポイントとスパークプラグについてお話しようと思います。(50㏄~155㏄のスクーターでも参考になると思います)

◆日常点検
毎日通勤でバイクに乗っていると、忙しくてなかなか点検する暇は有りませんが、法令では6か月ごとの定期点検が義務付けられています。半年はあっという間ですが通勤で使っていると3000㎞~5000㎞ぐらい走行している事もあります。ここはプロの目で隅々まで点検してもらいましょう。
それ以外に、給油や洗車のタイミングで実施して欲しいのが日常点検です。
125㏄スクーターに該当する点検項目を挙げてみましょう。
①ブレーキ(ブレーキの効き具合 ブレーキレバーの遊び)
➁タイヤ(空気圧 亀裂損傷 摩耗具合)
③バッテリー(劣化)
④冷却水(水冷式エンジンのみ)
⑤エンジンオイル(汚れ、量)
⑥エンジンのかかり具合
⑦灯火装置
⑧低速・加速の状態
以上の8項目になります。
こんなにやったら時間もかかるし大変そう・・・と心配になる方もいらっしゃると思いますが、慣れれば5分程度で終わりますので、是非習慣にしてみてください。
それでは、①から順に点検方法について説明したいと思います。

①ブレーキ
バイクにとってブレーキはとても重要な事は皆さんもご存じの通りです。
定期的な点検はもちろんですが、乗り出す前にも毎回確認したい項目です。
効き具合を確認するには、車体を前に押して前ブレーキ、後ろブレーキとレバーをそれぞれ握るだけです。この時効きが甘く前に進んでしまうようだとブレーキが効いていません。ブレーキパッドの残量が無かったり、オイルなどの異物が付着している事も考えられます。
次にレバーの遊びですが、ブレーキレバーを握った時に遊びが多い場合は、ブレーキ液量不足やエアの混入が考えられます。逆に全く遊びが全く無い場合はブレーキパッドの戻り不良などのトラブルが発生している可能性が高いです。すぐにバイクショップで点検してもらいましょう。

ブレーキ

➁タイヤ
街中で見かけるバイクで特に多いのがタイヤの空気圧不足です。メンテナンスの基本のひとつですが、毎日通勤で使っていると、徐々に低下していく空気圧に気づかない事が多いです。そのまま走行を続けると、燃費の悪化、グリップの低下、早期摩耗、パンクのリスク増加、など良い事はありません。できれば給油のタイミングで確認しましょう。ここで極端に空気圧が低い場合はパンクの可能性が有ります。タイヤに損傷や異物が刺さっていないかを目視で確認しましょう。
タイヤの摩耗状態はウエアインジケータと呼ばれる"△"マークの位置にある凸部で確認します。この凸部が周りと同じ高さになったら使用限度(0.8㎜)になったという事で交換が必要です。

タイヤ

通勤で市街地をメインに走行されている方は、タイヤのセンター(真ん中)付近が摩耗する傾向にあります。バイクのタイヤは形が重要で新しい物は綺麗な曲線を描いています。

タイヤ2

タイヤを上から見た時に台形や三角形だったり、左右非対称の場合はカーブを曲がる時に上手くバイクを傾けられなかったり、急に傾いたりして怖い思いをする場合があります。ウエアインジケーターはあくまで目安として、形が変わってきたら早めの交換をお勧めします。

③バッテリー
バッテリーの状態を細かく診断するには専用の機械が必要になりますが、日常点検ではスタータースイッチを押した際に2~3秒で元気よくエンジンが始動すればOKです。この時にセルモーターがゆっくりと回ってなかなかエンジンがかからない場合はバッテリーが弱っている可能性が有ります。

バッテリー

④冷却水の量
シグナスXは空冷エンジン(空気でエンジンを冷やしている)のため冷却水は入っていませんが、水冷エンジンの場合はリザーブタンクの量を目視で確認します。リザーブタンクの水分は自然に蒸発する事で徐々に減りますが、急に無くなってしまった場合は冷却水漏れの可能性があります。すぐにバイクショップで点検しましょう。

冷却水の量
※参考:YZF-R25のリザーブタンク

⑤エンジンオイルの量・汚れ
前回のブログでも紹介しました!正確な量を確認するにはエンジンを暖めてから・・・と作業が必要になりますが、日常点検では簡易的に量と汚れを目視で確認すれば充分です。

エンジンオイルの量・汚れ

⑥エンジンのかかり具合
先ほどバッテリーの状態を確認した時に、エンジンがかかればこの項目はOKとなります。セルモーターは勢いよく回るのにかかりが悪い場合はバイクショップでの点検が必要になります。

⑦灯火装置
最近のバイク(シグナスX含め)はLEDを使用していて耐久性が高く、バルブ切れを起こす事は少なくなってきました。ただし、遠くに行く時や、帰りが遅くなる場合は出発の前に灯火類が点灯しているか確認しましょう。夜になってヘッドライトが点灯していない!なんて事が無いようにヘッドライト、方向指示器、ブレーキランプと一通り確認します。ブレーキランプは画像のように手をかざすと点検できます。

灯火装置

⑧低速、加速の状態
最後に低速と加速の状態を確認しますが、これは実際に走行すればすぐにわかると思います。走り出してすぐにエンジンが止まってしまったり、アクセルを開けても加速が悪い・・・これでは目的地まで無事にたどり着けるか不安ですよね。

以上が日常点検の8項目になります。
追加で必要な工具や難しい作業は無く、短時間でできると思います。
特に「タイヤの空気圧」は定期的に調整する事で、安全かつ快適に走行する事ができるので、ご自宅でもできるように空気圧ゲージの購入をお勧めします。値段は安いもので1,000円程度、空気圧の充填は自転車用のポンプでも可能です。(米式バルブ対応の物)

タイヤの空気圧

◆スパークプラグについて
日常点検の次はスパークプラグについてお話します。
スパークプラグとは?一度は聞いたことがあると思いますが、バイクはガソリンと空気を混ぜた物を、エンジン内で圧縮して「スパークプラグ」で火を点ける事で燃焼し、その爆発エネルギーで走っています。そのためスパークプラグの消耗はエンジンの不調に繋がる事が多いです。3,000㎞~5,000㎞走行毎の交換が目安となっておりますが、これはあくまで目安で、走行条件や排気量によって交換頻度は変わってきます。特に発進加速が多い通勤での使用や、小排気量のバイクは短い交換サイクルになる事が多いです。
例えばエンジン回転数が6,000rpmの場合、1秒間に100回エンジンは回ります。エンジンが2回転すると1回爆発するので、50回点火している事になります。1秒間に50回なので1時間走ると...18万回!!忙しい奴です(-_-;)。常用エンジン回転数が高い小排気量のバイクは点火回数も多く、消耗が早いという事がわかります。

実際にスパークプラグがどういう物か見てみましょう!
画像の〇部分に電気が流れて火花を飛ばします。新品のプラグと見比べると汚れ具合や摩耗状態がわかりやすいです。摩耗が進むと〇部分の角が無くなり丸みを帯びてきます。

画像の〇部分に電気が流れて火花を飛ばします

スパークプラグが消耗品であり、交換が必要な事がわかっていただけましたか?
スパークプラグの点検や交換について、今回のシグナスXを一例として見てみましょう。

車体カバーの内側

スパークプラグが付いたエンジンは、車体カバーの内側となります。
カバーの合わせ部分(勘合部)やスパークプラグ取り外し時に、怪我をしたりカバーを破損させてしまう恐れがあります。

走行中に車輪が巻き上げた石や砂などの異物がエンジン全体に付着しています

また、走行中に車輪が巻き上げた石や砂などの異物がエンジン全体に付着しています。これら異物がスパークプラグを取り外した際に、エンジン内部に入ってしまう可能性も考えられますので、点検、交換作業につきましては、お近くのバイクショップにご相談ください。

さて、今回は日常点検とスパークプラグについてご紹介しました。
125㏄のスクーターは毎日気軽に使えてチョイ乗りから、ツーリングまでこなすとても便利な乗り物です。だからこそ日常の点検やメンテナンスをおろそかにすると、安全で快適な走行ができなくなります。出先でトラブルが発生する前に、定期的な点検とメンテナンスで快適なバイクライフを送りましょう♪

また、通勤通学中に発生する事故も増えています。渋滞中のイライラや心の焦りが事故に繋がるリスクを高めてしまいます。時間には余裕をもって出発する事と、万が一の時のためにヘルメットのあご紐をしっかり締める事は忘れないでください!


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