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クラッチ操作が苦手な方って多いですよね?

2022年9月22日


こんにちは、YRA(ヤマハ ライディングアカデミー)事務局・加藤です。

9月からYRA大人のバイクレッスンが再開されましたが、参加者の方に多く見受けられる苦手な操作のひとつが「ギアチェンジ」です。
今回はギアチェンジのポイントのひとつ『クラッチレバー操作』にフォーカスを当てて、ちょっとしたコツをご紹介いたします。

今回はギアチェンジのポイントのひとつ『クラッチレバー操作』にフォーカスを当てて、ちょっとしたコツをご紹介いたします。

Uターンやブレーキが苦手な方も多いですが、実はギアチェンジを苦手にしている方も多く、詳しく見ると『クラッチレバー操作』が苦手な方が多い様に感じます。
実はクラッチレバーは加速や減速などの速度コントロール時に操作しますので、アクセルやブレーキレバーと同等に操作する回数も多く、重要度の高い操作のひとつ。

まずは、クラッチレバー操作が出来ていないと、どの様なことが起こるのか考えてみましょう。
主に発生する不具合は以下の4つです。
1) 坂道発進時に後方に下がってしまったり、エンストが発生する
2) 発進時または低速走行でのギアチェンジ時にエンストが発生する
3) 発進までに時間が掛かってしまう
4) ギアチェンジ毎にバイクが不安定(前後に車体が揺れる)になる

1)から3)は周囲の車両に迷惑を掛け、それが自らのプレッシャーとなってしまう場合もあります。
また、4)は車体が不安定になりますので恐怖心に繋がってしまったり、不用意に車体が動くので誤操作の招いたりもします。

そんなクラッチレバー操作に不安がある人に、操作のポイントとして1番最初に知っていただきたいのが『バイクが動き出すクラッチレバーの位置を把握する』ことです。

ではどうすれば良いのでしょうか?

ではどうすれば良いのでしょうか?
それは停車時にアクセルを操作せずクラッチ操作だけでバイクが動き出すクラッチレバーの位置を把握しましょう。

では、この動作をひとつひとつ確認していきます。(危険のない、広く平らな場所を選んでください)
バイクに乗車し、左足を地面に着け、右足はステップの上に乗せてください。
この時、右足で後ろブレーキを踏み、停車する姿勢が基本の姿勢になります。
(今回はエンジンが始動していて、左手でクラッチレバーを握り、ギアは1速に入れている状態が基本です。)

この姿勢のまま、後ろブレーキを離し右足を地面に降ろします。そして、右手はアクセル操作をせず、前ブレーキレバーへも指を掛けません。

この姿勢のまま、後ろブレーキを離し右足を地面に降ろします。そして、右手はアクセル操作をせず、前ブレーキレバーへも指を掛けません。
この姿勢から左手のクラッチレバーを徐々に離し始め、バイクが動き始めるレバーの位置を確認し、歩く程度の速度でバイクを進めてみます。そのまま2-3m進み、そして停車(クラッチを切る)。同様の操作をして2-3m進み、停車を繰り返してみます。

ここでのポイントは2つです。ひとつは『視線は前方へ向けて、必ず進行方向を見る』こと、
もうひとつは、左手のクラッチ操作は目視ではなく、『手の感触だけでバイクが動き始めるポイントをしっかり把握する』ことです。
スピードメーターやタコメーターに視線をやることなく、視線は必ず前方の進行方向です。
全ての動作をしながら安全確認をする為に視線は前方(いつでも危険を確認出来る様)にすることが基本となります。
視線を前方へ向けることで自ずと左手の感触だけでバイクが動き始める位置を覚えることも出来ます。

『バイクが動き始める』クラッチ位置をしっかり把握できていると、全てのクラッチ操作習得が早くなりますので、しっかりとこの★印の位置は身体に覚えさせてください。

『バイクが動き始める』クラッチ位置をしっかり把握できていると、全てのクラッチ操作習得が早くなりますので、しっかりとこの★印の位置は身体に覚えさせてください。


クラッチ操作でバイクが動き出す位置を確認出来たら、まず「1)坂道発進時に後方に下がってしまったり、エンストが発生する」方へのアドバイスです。
先程の基本姿勢から後ろブレーキを掛けたまま、クラッチを★の位置まで繋げます。この動作の後に後ろブレーキを離しながら、少しアクセルを開けます。そのまま更にアクセル操作とクラッチ操作を行えば前に進んでいきます。
なお、ちょっとした車体変化ではありますが、後ろブレーキを掛けたまま前に進める操作をした場合、チェーン駆動のバイクであれば、クラッチが切れた状態からクラッチレバーが★の位置に来るとシートが少し下がり始めます。この車体の動きまで感じることが出来たら素晴らしいです。

続いては「2)発進時、または低速走行でのギアチェンジ時にエンストが発生する」方へのアドバイスです。<br />
エンストさせてしまう方の大半が★と☆の間の操作が速すぎるなど、クラッチレバーを握っている指の操作が粗い方が多い様です。<br />

続いては「2)発進時、または低速走行でのギアチェンジ時にエンストが発生する」方へのアドバイスです。
エンストさせてしまう方の大半が★と☆の間の操作が速すぎるなど、クラッチレバーを握っている指の操作が粗い方が多い様です。
思い当たる方は指の操作を気持ちゆっくりと行っていただき、特にクラッチを繋げる時には★から☆へ動かす指の動作を丁寧に行うことでエンストは大きく減るはずです。(もちろん、アクセル操作も連動しており重要ではありますが、今回はクラッチ操作を重点的にお伝えしております。)
この時、特に重要なのはクラッチの繋がり始め。この個所を特に気を付けると更にスムーズにバイクは加速していきます。
また、低速走行時ではギアの選択も重要です。
もし、クラッチレバーを繋ぎ始めてからエンジンが「ガタガタ」と音や振動が大きくなる様でしたら、ギアが合ってない可能性が高いです。もう1速低いギアを選ぶ(ギアを1速落とす)様にしましょう。

次は「3)発進までに時間が掛かってしまう」方へのアドバイスです。こちらの方は握っているレバーを★の個所まで動かす動作に時間を掛け過ぎなのが大きな理由です。

次は「3)発進までに時間が掛かってしまう」方へのアドバイスです。こちらの方は握っているレバーを★の個所まで動かす動作に時間を掛け過ぎなのが大きな理由です。
ですので、★の個所までレバー操作を素早く行い、それ以降のクラッチ操作を丁寧に行う様に心掛けると素早い発進が出来るはずです。
ここでは、最初にお伝えした★の個所をしっかりと把握していることがとても重要で、しっかりと身体で覚えられれば、直ぐに改善されると思います。

では最後に「4)ギアチェンジ毎にバイクが不安定(前後に車体が揺れる)になる」方へのアドバイスになります。

では最後に「4)ギアチェンジ毎にバイクが不安定(前後に車体が揺れる)になる」方へのアドバイスになります。
こちらの操作では、ギアチェンジ毎のクラッチレバー操作時に②部分中央で一瞬止める様な気持ちで操作中間を丁寧に行いましょう。
併せて、ここの操作でもギアの選択は重要です。
クラッチを繋ぎ始めてからエンジンが「ガタガタ」と音や振動が大きくなる様であれば、ギアが合ってない可能性が高いので、もう1速低いギアを選ぶ(ギアを1速落とす)様にしましょう。

クラッチを繋ぎ始めてからエンジンが「ガタガタ」と音や振動が大きくなる様であれば、ギアが合ってない可能性が高いので、もう1速低いギアを選ぶ(ギアを1速落とす)様にしましょう。

ここまで色々と操作ポイントをお伝えしましたが、勘の良い方は思いついていますよね?
例えば、「クラッチ操作(レバーを操作する指)の速度は一定ではないの?」とか
「もしかして、クラッチは全部握らなくてもいいの?」など。

そうです!クラッチレバー操作の速度は一定速度ではありませんし、クラッチレバーは全て握らなくてもギアチェンジは可能なのです!

レバー操作はわずかな距離ではありますが、こんな少しの距離でも操作速度は微妙に調整しますし、クラッチを切る場合には★位置からわずかに引いた位置まで操作すればクラッチは切れています。

段々と操作のコツが掴めてくると、更に派生的に操作ポイントを理解することが出来、ライディングも上達する事でしょう。
もし、クラッチ操作の左手をまったく意識していない方がいらっしゃいましたら、これを機会に意識を向けてもらえればと思います。

もし、クラッチ操作の左手をまったく意識していない方がいらっしゃいましたら、これを機会に意識を向けてもらえればと思います。

なお、本ブログ含めバイクの操作に関して記載している内容は、メンテナンスが出来ているバイクであることが前提でお伝えしております。
クラッチが硬かったり、遊びが多過ぎたり/少な過ぎたりなどメンテナンスが出来ていない車両では、いくら適正な操作をしようとしてもバイクを自在にコントロールすることは出来ないと考えてください。
(モデル毎のメンテナンスに関しては各取扱説明書に記載がありますので、そちらをご参照ください。)

ぜひ、メンテナンスの「乗らずに学べるバイクレッスン」もご一読いただき、不明点や疑問点はお近くのヤマハスポーツバイク取扱店へご相談いただければと思います。

乗らずに学べるバイクレッスン:各メンテナンス編
エンジンオイル交換の頻度について!
サービスツールとツーリングで備えたい携行工具の使い方編
雨天走行後の洗車・メンテナンス
自宅で出来るメンテナンス!ドライブチェーン編
久々にバイクを動かす方向け メンテナンスアドバイス!


皆さんもバイクに限らず、自転車や自動車などを運転する時には「技量以上の無理な運転はせず」安全運転を心がけましょう。
そして、昨日9月21日から『秋の全国交通安全運動』期間が始まっております。
最近はひんやりする日も多くなり、日に日に日没時間が早まります。9月は地域にもよりますが9/1と9/30では日没時間に40~50分の差が出ており、急激な日没時間変化が発生します。
また、警察庁のデータでは「薄暮時の事故は昼間の4倍、夜間の2倍発生する」と発表しておりますので、夕暮れ時は特にバイクに乗る時も、またそれ以外の時も交通安全を心がけて、交通法規やマナーに沿った行動をお願いいたします。

昨日9月21日から『秋の全国交通安全運動』期間が始まっております。


2022年9月22日

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