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日本一のヤマハメカニックを決める「National Technician Grand Prix」の予選大会を上位で通過したYSPメカニックの決意をご紹介

2025年5月16日
みなさん、こんにちは。ヤマハ発動機販売サービス課の田村です。
前回のBlogにて「National Technician Grand Prix(ナショナル・テクニシャン・グランプリ)」の予選大会を通過し、日本一のヤマハメカニックを選出する決勝大会に参戦するYSPメカニックの決意表明Part.1をご紹介しました。

今回は、予選大会を上位で通過したYSP滋賀・柴田 裕佑さんと、YSP千住・榊原 健人さんの決意をご紹介します。


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【YSP滋賀・柴田 裕佑さん】

YSP滋賀・柴田 裕佑さん

メカニック歴:約13年/所有バイク:YZF-R1、YZF-R25、WR250R

予選大会トップ通過は、未だに信じられない
------「National Technician Grand Prix」の予選大会をトップで通過したお気持ちをお聞かせください。

柴田さん:
「テクニシャンGPへのチャレンジは、今年で実は3回目。2016年は筆記競技に参戦、2018年は筆記をクリアし国内決勝大会まで進むも、あまりに緊張しすぎて、思うように実力を発揮できませんでした。

テスト範囲が決まっている学校の試験とは違うので対策を講じるのは難しいのですが、今回筆記競技に当たっては、ニューモデルの技術的な部分は絶対出題されると思ったので、自動変速トランスミッション『Y-AMT(Yamaha Automated Manual Transmission/ワイ・エーエムティ)』や先行車に追従走行する機能『ACC(Adaptive Cruise Control)』あたりは、おさらいして行きました。でもニューモデル以外にも色々な問題が数多く出題されたので、7割ぐらいは正解しているだろうという手応えはあったものの、残りの3割は自信が持てませんでした。なので、16位以内に入れるといいなと思っていましたが、16位から10位までの発表があった時点で名前が呼ばれず、"今回は、あかんわ"と正直諦めていました。ところが、最後の最後に1位通過者の発表で自分の名前がスクリーンに映し出されて、"えーなんで?"という感じでした。未だに信じられず、"ほんまにできたんか?"と疑っている状態です(笑)」

写真に残し、点検・整備の大切さを分かりやすく説明

写真に残し、点検・整備の大切さを分かりやすく説明
------メカニックとして日頃から心がけていることは?

柴田さん:
「メカニックにとって、お客さまにトラブルなく安全に長くバイクを楽しんでもらうことが一番です。そこで、日頃の点検整備の大切さをご理解いただくために、説明が大切だと思っています。

たとえば修理の際、"ここに問題があって部品を交換しました"と説明するだけでなく、問題のあった部品は、どのような機能でどう動くのか、今回その部品にどのようなトラブルが発生していて、その対処として具体的に何をしたのか、なるべく分かりやすく説明しようと心がけています。

点検時も、特にバイクを初めて購入されたお客さまの1年点検の際には、車両を分解した写真を撮っておいて、"ホイールを外すと中のカラーにシールがあって、ここにグリスを入れているんですよ"とか、"ブレーキを外したら、これだけ汚れていたので掃除しました"など、元に戻してしまったら分からない箇所をしっかり写真に残しておいて説明しています。

そこまでの説明を望まないお客さまもいらっしゃいますが、"点検をして、何も問題がなかった"ではなく、"こうした手順をしっかり踏んで点検を行った結果、何もなかったよ"と説明すると、お客さまの反応が全然違います。点検結果に安心してもらえますし、"そこまでしてくれたの!"とおっしゃってくださる方も多いです。何より点検した結果の変化を感じてもらいやすいので、"全然違うわ!"と帰宅後にわざわざ電話をくださるお客さまも中にはいらっしゃるほどです。

もの凄く小さいことではありますが、点検整備で色々なところを分解・グリスアップすると動きが良くなります。乗ると、全体的に軽く感じられますので、それを分かって乗ってもらえたら嬉しいですね。サイドスタンド一つとっても、1年も乗っていたら動きが悪くなりますが、点検後はスムーズにスコーン、スコーンとスタンドが上がるので、その違いを感じてもらえると点検の必要性を実感いただけると思います」

事前準備でお預かり期間を最小限に

事前準備でお預かり期間を最小限に
柴田さん:
「また、お預かりしたお客さまの車両は、なるべく早くお返しできるように努めています。計画通りに進められない場合もありますが、予定を組み、変更部品が事前に分かっていれば先に部品を確保しておき、お客さまの車両が入庫次第、迅速に作業に着手してすぐにお返しできるよう心がけています。

メカニックとしては、とにかく日々勉強です。モデルが新しくなると不具合の出やすい箇所は異なりますし、慣れに甘んじることなく新しいことを学んでいきたいですね。高校生の時にYSP滋賀で初めてバイクを購入して以来、ずっと色々なバイクに乗ったり触ったりしてきたので、お客さまの幅広い要望にお応えできる自信はあります」

大変だけれど細かい塗装作業

大変だけれど細かい塗装作業
------得意な作業は?

柴田さん:
「細かい作業が大好きで、カウルやヘルメットなどの塗装が得意ですね。デザインも自分で考えています。ただ、塗装はものすごく気を遣うし、細かく手のかかる大変な作業。お客さまの依頼を受けて責任持って行うまでの技術はないと思っているので、あくまでも自分の趣味の範囲です」

緊張せず、実力を発揮できれば結果が付いてくる

緊張せず、実力を発揮できれば結果が付いてくる
------最後に「National Technician Grand Prix」決勝大会に向けての決意をお願いします。

柴田さん:
「決勝大会は、ヤマハ発動機本社で行われるので、社員のみなさんがたくさん見学しているなかでメカニック作業や接客競技に臨まなければならず、その独特な雰囲気がものすごく苦手です。2018年に挑戦したときのことを今思い返すだけでも、緊張感がよみがえって来るほど(苦笑)。いかに緊張しないかが鍵ですね。

当店は、良い意味でディーラー然とせず、お客さまととてもフレンドリーな関係なので、特に接客競技のあらたまった雰囲気に慣れていないので心配です。
とはいえ、予選大会で1位になったことを自店のSNSにアップしたところ、お客さまから"おめでとう!"と思った以上に声を掛けていただき、その反響の大きさに驚いています。お客さまからの大きな反響は嬉しい反面、恥ずかしい気持ちもありますが、そんなお客さまの期待に応えられるよう、日本大会では自分が持っている技術を出し切れるよう、緊張せずに臨みたいと思います」

YSP滋賀

YSP滋賀

YSP滋賀

草津市野路東6丁目2−5
TEL. 077-567-4477
旧車から最新のスーパースポーツ、オフロード、スクーターと年代・カテゴリーを問わず、販売からメンテナンスまで、お客さまの幅広いニーズにお応えできる技術とサービスを備えたトータルプロショップです。

【YSP千住・榊原 健人さん】

【YSP千住・榊原 健人さん】

メカニック歴:約22年/所有バイク:MT-10、Serow250


手応えがなかったので、上位通過にびっくり!
------「National Technician Grand Prix」の予選大会を上位で通過したお気持ちをお聞かせください。

榊原さん:
「テクニシャンGPへの挑戦は今回が初めてです。せっかく出場するなら、恥ずかしい結果にはしたくないとの思いでした。でも、どういう問題が出題されるか事前には知らされていませんでしたので、ヤマハが全世界で展開している整備士資格制度YTA(ヤマハ・テクニカル・アカデミー)の最高位資格"ゴールド<https://www.yamaha-motor.co.jp/mc/yamaha-motor-life/2024/05/20240510-001.html>"を取得したときのテキストをちょっと見返して臨んだくらいでした。

8割できたかな程度で、予選を通過できた手応えはありませんでした。ひょっとしてもし自分が残れるとしたら16位から10位くらいの間であろうと思っていましたので、10位までに名前が呼ばれなかったことから、"全然ダメだったんだな"と諦めていたんです。すると、個別に名前を呼ばれ、上位で通過したと分かり、本当にびっくりしました」

お客さまの使い方を把握し

お客さまの使い方を把握し
点検整備を受けやすい環境作りやアドバイスを
------メカニックとして日頃から心がけていることは?

榊原さん:
「お客さまに気持ちよくバイクに乗って楽しんでもらうために、私たちメカニックが存在すると考えています。愛車にもしかしたら何か不具合があるのではないかと、わずかでも不安な気持ちを抱いたままバイクに乗っていたら、純粋に思い切り楽しむことができませんからね。

普通、愛車に何か問題が起きない限り、多くのお客さまは来店されません。そこで、定期点検にしっかり足を運んでもらえるよう、点検の案内をご連絡することはもちろん、最初の受付開始の時にメンテナンスの大切さをきちんとお伝えしています。

点検で来店いただけば、走行距離や消耗部品の具合などから、お客さまお一人おひとりのバイクの楽しみ方、乗り方を把握できますので、次回の点検に向けて、"あと半年くらいで○○の交換時期ですね"などと事前に消耗品交換のご案内が可能です。
例えば、タイヤなどは決して安いものではありません。交換の必要性やその時期を予めお伝えすることで、お客さまの予定に入れておいていただけます。日頃、点検整備に関心がなく、タイヤの減りに気づいてから慌てて交換しようとすると、タイヤだけでなくチェーンやスプロケットの交換タイミングとも重なったりして、部品代、修理代がかさむこともありますからね。お客さまのバイクライフにあわせ、点検整備を行いやすい環境づくりやアドバイスができればと思っています。

そもそも大学生の時にバイクに乗り始め、見よう見まねでチェーンメンテナンスをしてみたところ、バイクがもの凄く軽く感じられ、自分のバイクが速くなったように思えた経験があるので、バイクに乗りっぱなしの人に、メンテナンスをするだけで、愛車の状態が著しく変わることを実感してもらえたらという思いがあります。実際は、経年変化していた箇所が元の状態に戻るだけなので、速くなるわけはないんですけれどね。変化を感じて、定期点検の大切さをお客さまにも実感いただきたいんです。

特に、これまで車に乗っていたけれどバイクは初めてという方の場合、車の基準でタイヤやブレーキパッドなど消耗品の交換タイミングを考えがちです。バイクの方が交換タイミングが早いので、バイクと車との違いをご理解いただけるよう心がけています。車の感覚で乗り続けていると壊れてしまいますからね」

常により良い手法を模索し研鑽

常により良い手法を模索し研鑽
榊原さん:
「また、日頃の接客、点検業務においては、時折やり方を変えてみるよう、常に心がけています。他のスタッフが自分とは違うやり方をすることがあって、その手法が良かったり、効率的な場合は、即、参考にしています。逆に自分のやり方が良ければ、スタッフと共有します。
新しいバイクが色々出てくると、整備の仕方やオプションの付け方など、従来のやり方よりも、新しい別の手法の方が早かったり、きれいだったりしますので、メカニックとして経験値を積んできたからこそ、これまでの自分のやり方に自負を持つと同時に、あまり頑なになりすぎず、柔軟により良い手法を取り入れるよう研鑽を重ねています。

技術力は目に見えるものではありませんが、お客さまに対して特別アピールするつもりはありません。あくまでもお客さまにご理解いただける説明ができればいいなというくらいですね。ただ、私たちがしっかり理解し、いろんな視点を持っていないと、お客さまに分かりやすく説明できないと思うので、多角的に説明できるよう心がけています」

白黒はっきりする電気系作業

白黒はっきりする電気系作業
------得意な作業は?

榊原さん:
「大変だけれど、面白いなと思う作業は電気系です。得意ではないんですけど、好きですね。
サスペンションの調整などは、正解がありません。好みもあるし、お客さま一人ひとりのバイクの使い方・乗り方があるし、千差万別です。でも、電気系の問題は答えが白黒はっきりするところが良いですね。
とは言え、目処を付けたところに問題の原因があれば解決は早いですが、目論見が外れていると、泥沼にはまってしまって気が滅入ることもありますけどね」

仕事が楽しく、バイクが好きなだけ。

仕事が楽しく、バイクが好きなだけ。
いつものように整備・接客するのみ
------最後に「National Technician Grand Prix」決勝大会に向けての決意をお願いします。

榊原さん:
「試験勉強と違って出題範囲が分かるわけではないし、決勝に向けて何か対策を行うつもりはありません。結果として日本代表に選ばれたり、チャンピオンになれたら嬉しいですけれど、それを目指す、目標にするというのは、少し違う気がするんですよね。例え日本代表に選ばれて世界大会に出場しても、また、もし世界大会でチャンピオンになれたとしても、お客さまに支持されなければ意味がないですからね。

普段から接客も整備も行っていますが、この仕事を続けているのは、楽しいからです。お客さまお一人おひとり違うし、バイク1台1台、同じモデルであっても、乗っているお客さまが違うとコンディションが変わってきます。自分がバイクに乗っていて楽しいというのもあるし、ショップイベントなどを開催したり、お客さまとツーリングに一緒にでかけたり、ツーリング後の反省会と称した飲み会を行ったりと、お客さまとの関わりも大きいと思います。

僕自身、バイクが好きなんです。YSPというヤマハバイク専門の店柄、取り扱いモデルは趣味性が高いですし、来店されるお客さまも、単なる移動手段としてだけではなく、楽しいから乗っている方がほとんどです。そんなお客さまの車両を整備したり、バイクの状態についてきちんとお話ししたり、要望にあわせてカスタマイズ提案したりすることで、お客さまに安心して思いっきりバイクを楽しんでもらえることが僕の悦びです。

まずは、お客さまありきで、結果として世界大会出場やチャンピオンがついてくれば嬉しいというくらい。ですので、日本大会決勝でも、いつものように点検整備や接客対応をするだけですね」

YSP千住

YSP千住

YSP千住

足立区千住河原町23-1
TEL. 03-5813-7400
購入後のアフターサービスおまかせ下さい! オートバイを一緒に楽しみましょう。


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YSP滋賀・柴田さん、YSP千住・榊原さん、ありがとうございました!

世界一のヤマハメカニックを決定する「World Technician Grand Prix」に日本代表として出場するメカニックを選出する「National Technician Grand Prix」は、7月2日に開催予定です。

「National Technician Grand Prix」に出場するメカニックのみなさんはこちらからご覧いただけます。行きつけのYSPのメカニックさんが出場するようでしたら、ぜひ応援をお願いします。また、バイクショップ選びの参考にしてみてくださいね。

【関連リンク】
・ワールドテクニシャングランプリ(WTGP)とは

・ヤマハ バイクブログ日本一のヤマハメカニックを決めるYamaha National Technician Grand Prixに参戦するYSPメカニックの決意表明Part.1

・ヤマハ バイクブログ「2月26日は「Yamaha National Technician Grand Prix」の予選大会。予選に挑むYSPメカニック情報を公開!

・ヤマハ バイクブログ「安心のバイクライフのために、ヤマハはお客さまに一番身近なディーラーメカニックの育成に力を入れています

2025年5月16日

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