世界No.1のヤマハメカニックを決定する大会に挑戦する日本代表:YSP八戸・清野さんってこんな人! ぜひ、応援お願いします
- 2025年10月31日
 
みなさん、こんにちは。ヤマハ発動機販売サービス課の田村です。

11月19日(水)に世界No.1のヤマハメカニックを決定する「Yamaha World Technician Grand Prix 2025(ヤマハ・ワールド・テクニシャン・グランプリ:ヤマハ世界整備士コンテスト)」が開催されます。コロナの影響で中断していた時期を挟んで2018年以来7年ぶりに開催される今大会、日本代表として参戦するYSP八戸・清野 貴裕(せいの たかひろ)さんに世界大会に向けての意気込みを伺ってきました。
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日本大会後、お客さまの点検・整備への関心が向上
―――「World Technician Grand Prix Japan Round(ワールド・テクニシャン・グランプリ日本大会)」で優勝してから何か変化はありましたか?
清野さん談:
「地元の新聞に取材・掲載されたこともあって、古参のお客さまが"おめでとう!"ってわざわざ訪ねて来てくださったり、修理で来店されたお客さまではないのに、"世界大会がんばってください"と帰りがけに声を掛けていただいたり。今日なんて、"世界大会に出るんだって? がんばって!"って全く当店のお客さまではないのに、ラーメン屋さんで女将さんに声を掛けられました(笑)。
世界大会に日本代表として行けることが決まった当初は、本当にただただ自分の実力を試す、整備力を競う大会として楽しみたい気持ちだけでしたが、最近はそれ以上に周りからの期待が大きくなってきているので、それに応えたいと思っています。
なによりバイクの点検・整備に関してお客さまが関心を寄せてくれるようになったと感じていて、すごく嬉しいですね。定期点検の案内や修理が終わって説明する時に、私の話をしっかり聞いてくれるようになったと言いますか。
これまでは【バイクを購入して】【乗って楽しんで】がメインで、【メンテナンスはおまけ】みたいなところがありました。点検・整備に積極的ではなかったり、点検後の説明も右から左に流されたり、そろそろ交換した方が良いパーツについて説明してもその必要性に懐疑的だったお客さまもいらっしゃいました。しかし日本大会後は、点検のご案内をするときちんと来店してくれるようになった手応えがあります。むしろ"ここはどうしたら良いですか?"と、点検・整備後の説明時に色々質問されたりと、お客さまとのコミュニケーションが増えたように感じていて、とても喜ばしく思っているところです」

診断ツールを使ってより細部まで点検
―――ワールド・テクニシャン・グランプリ日本大会での経験は、日頃の業務に活かされていますか?
清野さん談:
「一般的な整備業務は工数が設定されていますし、工数が決まっていない作業や初めて手がける作業は、どれくらい時間がかかるか計るなど、店舗全体的で普段から時間を意識して行動しています。なので、整備競技で制限時間が設けられていることに抵抗はなかったのですが、慣れない場所ではいつものようには行きませんでしたね。
ある一つの作業について、自分はだいたいどのくらい時間がかかるかを把握しているので、部品交換のような競技は時間制限があっても問題なかったのですが、故障診断には少し手こずってしまいました。普段なら、お客さまに車両の症状を詳しく聞き直したり、エンジンを掛けてトラブルになっている症状を再現してみたりできますが、日本大会での故障診断競技では、問題用紙に車両の状況が記載されているだけ。そこからいかに多くの情報を読み取るのか、そして設問者が描くストーリーを想像できるかが鍵だったように思います。面白い問題でしたね。
でも、判断が難しかった故障診断の競技を体験したことから、そこまで行う必要はないけれど、万が一を想定して定期点検の時に車両診断ツール・YDT(ヤマハ・ダイアグノースティック・ツール)を活用し、より一層詳細な点検まで行うようになりましたね」

お客さま視点でのより良い接客応対力を磨き上げる
―――世界大会に向けて取り組んでいることは何かありますか?
清野さん談:
「先日、仙台にあるヤマハ発動機販売東北事務所まで出かけ、合宿してきました。この後も数回、サービス部門の担当者と特訓の予定です。通常の整備作業と並行しての準備なので容易ではありませんが、技術的な特訓よりも、整備の時の工具の取り扱い方や名刺の渡し方、お客さまを接客カウンターにエスコートする時の所作、会話する時の心構えなど、お客さま視点での応対力に磨きを掛けたいと考えています。自分が考える良い接客とお客さまが良いと感じる接客って少し違うと思いますので、ヤマハのサービス部門担当者の意見を参考にしながら、お客さまが"このお店やこのメカニックに任せて安心"と感じていただける要素を磨き直す予定です。
世界大会にエントリーするみなさんって、技術力では拮抗しているでしょうから、勝敗は本当に僅かな差しかないと思っています。なので細かいことの積み重ねになりますが、少しでもお客さまにとって気持ちの良い接客につながることを改めてしっかり身に付けて、世界大会に臨みたいんです。
実際の業務と競技大会のための技術って、身になる勉強と試験対策のための勉強のように、少し乖離している部分があります。でも例え世界大会に向けての準備だとしても、お客さまから見てより良い接客応対力を磨くことで、緊張する場面やとっさの状況でも自然にできるくらいその所作が自分のものとして身につけば、この先の接客にも活かされ、お客さまに喜んでいただけるのではないかと考えています。 また、そうした私のやり方を見て、他のスタッフもこういう方がいいよねと気づきに至り、店舗全体でより良い接客ができるようになるのではないでしょうか」

清野さん談:
「この辺りは、冬場半年ほどバイクに乗れなくなります。雪が降らない地域の店舗と比べたらバイクに触る機会は少ないかもしれません。でもだからこそ逆に除雪機のお客さまとの接客が日本大会での結果にも活きたのではないかと思っています。
バイクも除雪機も点検・整備の面ではそれほど大きな違いはありません。でもバイクは趣味・嗜好性が高く、お客さまも気軽にお店に遊びに来てくださる感覚があって、ヤマハブランドや当店のファンとおっしゃってくださる方が多い傾向にあります。それに対して除雪機は生活必需品で、お客さまとは年に1回お会いするくらいの距離感です。そんなお客さまに失礼にならないよう、色々なことを考えながら、言葉も慎重に選んで応対させていただいています。そうした幅広い経験値が接客の場面で有利に働いたかもしれませんね」

配線図が大好き!
―――日本大会では「実技競技に集中しているうちにどんどん楽しくなってきた」との発言がありました。得意な整備は何ですか?
清野さん談:
「普段からサービスマニュアルを読んだり、いろいろ調べたりするのが好きなこともあって、日本大会では、最初は緊張していたものの、競技とは言え部品交換や故障診断など、いずれも普段やっていることですし、緊張よりも整備する楽しさが勝ってしまったところがあります。
前日に懇親会が行われたり、合間の休憩時に色々お話ししたりして、一緒に競技に臨んだ他のYSPのメカニックのみなさんと打ち解けていたこともあって、リラックスした雰囲気の中、楽しく競技に向き合えたことも大きかったかも知れません。
得意な整備と言いますか、好きなのは配線図を読むことですね。どこがどうなっているのかを見るのが楽しいんです」
純粋にヤマハの整備士として道を究める
―――世界大会出場者を紹介する動画の中で、各挑戦者にニックネームが与えられています。清野さんは"The Blue Seeker(ブルー・シーカー:青の求道者)"とのことですが、そこに込めた意味は?
清野さん談:
「いくつか案を出していただいた中から選んだのですが、私自身、"自分はチャンピオンだ"とか、"できるヤツだ"というようなアピールは好みではなく、むしろ研鑽とか挑戦者とかのイメージを強く持っていました。
 "求道(ぐどう)"と読めば、仏教で"道を極めること"ですし、"求道(きゅうどう)"と読めば、"物事の真理を求めて修行する"との意味合いになります。その"求道"の精神から、純粋にヤマハ(ブルー)の整備士として、この道を突き詰めていくという想いで"The Blue Seeker"を選びました。
今度、私を呼ぶときには、ぜひ"ブルー・シーカー"って呼んでください(笑)。」

―――世界大会では日本表として一層注目されることが予想されますが、最後に意気込みをお願いします。
清野さん談:
「優勝してきます!
日本大会でも、撮影用カメラが何台もあって、しかもかなり近くに寄って撮影されました。あまりに近づいて来るから、思わず笑いそうになったほどですが、楽しかったですね。自分は賑やかな方が好きなので、物を落としたら音が響くようなシーンと静まりかえった中で一人黙々と作業に向きあうほうが緊張しそうです。カメラを向けられているほうがむしろやりやすいと感じています。
世界大会では、周りの挑戦者のみなさんが何を話しているのか、言葉が違うので分からないので、その分、余計な雑音が入らないメリットがあるのではないでしょうか。緊張をほぐすために、競技開始前には深呼吸してからイスに座るようにしますよ」
Yamaha World Technician Grand Prix 2025
日本代表メカニック・清野さんが在籍する店舗

YSP八戸
八戸市売市4-22-48
TEL.0178-22-7221

バイクはもちろん周辺用品も豊富な品揃えのYSP八戸。スタッフのみなさんの人柄も店舗のつくりもフレンドリーで居心地抜群です。お近くの方はもちろん、来春以降のバイクシーズンにはヤマハ バイクレンタルの利用など、お気軽に立ち寄ってみてくださいね!
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日常業務と並行で世界大会への準備を進めているお忙しいところ、清野さん、YSP八戸のみなさん、ご協力ありがとうございました!
"ブルー・シーカー"のニックネーム通り、探究心の塊で日々研鑽を積む清野さんですが、取材陣をはじめ、大勢の見学者が見守るような環境の方が、楽しく競技に向き合えそうと、リラックスした表情を見せてくれました。
なお、世界大会当日は、ヤマハ発動機本社にある企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」にて「故障探求」の競技模様が、解説を交えながらライブ上映されます。また、YouTubeでもその模様がご覧いただけます。
コミュニケーションプラザで私たちと一緒に生配信を観戦するもよし、あるいはYouTubeライブで応援いただくもよし。日本代表メカニック、YSP八戸・清野さんがいつもの実力を発揮できるよう、温かいエールをよろしくお願いします!
がんばれ! 清野さん!!

【関連リンク】
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