55mph - 「レストア・ミニコラム」 Vol.2 エンブレムの再現について
コミュニケーションプラザで展示されている歴史車両たち。そのレストアに秘められた「こだわり」を紹介、解説します。
タンクやサイドカバーに貼られたエンブレムはバイクの“顔”とも言うべき重要なパーツである。可能なら本物を復元するというのが基本的なプロセスだが、どうしても手に入らない場合はやはり一から作るしかない。一番上の写真にあるフューエルタンクのエンブレムは花井さんが一番最初にレストアを手掛けたDX250のもの。当時の図面を参考に、新たに色などを指定したデータを起こして専門業者に製作を依頼した。素材は樹脂で、タンクの形状に沿うように微妙なカーブを描いている。じつは左右で微妙に曲率が違うため樹脂の硬度を設定するのに苦労したという。こうしたエンブレム類はリプロダクトされたものも流通しているが、新車出荷状態の完全再現という厳しい眼で見ると違和感のあるものが多いと花井さん。製作する際はある程度まとまった数を発注し、残りは予備パーツとしてストックされている。
- Vol.8 レストア室の設備について
- Vol.7 バックミラーについて
- Vol.6 タイヤについて
- Vol.5 バフ研磨の再現について
- Vol.4 動態保存が記憶の扉を開く
- Vol.3 外装部品のペイントについて
- Vol.1 コーションラベルの再現について
- コミュニケーションプラザ 歴史車両走行テスト
- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.6 「火入れ」
- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.5 「部品の検品、組付け」
- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.4 「外観およびステッカーの復元」
- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.3 「車両の分解」
- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.2 「車両の確認」
- バイクが文化遺産に変わるまで Vol.1 「車両の選定・調達」
- Vol.3 大隅哲雄(コミュニケーションプラザ 館長)
- Vol.2 北川成人(レースマシンレストア担当)
- Vol.1 花井眞一(市販車レストア担当)